睡眠のゴールデンタイムは嘘!睡眠の都市伝説【3選】

睡眠

快適な睡眠や効率的な睡眠を促すために、皆さんはどのようなことを知っていますか?

「こうするとよく眠れる」とか「睡眠には○○がいい!」といった謳い文句の中には、誤った情報が広がって世の中に認識されていることもあります。これからお伝えする内容は、私が睡眠について学ぶ前まではすべて誤って認識していたものでした…

今回はよく聞くものの実際は効果がない、という睡眠にまつわる都市伝説について解説していきます。

【睡眠都市伝説1】90分の倍数で起きると目覚めがいい

この話を聞いたことあるよ、知っているよ、という方結構多いのではないでしょうか。睡眠周期がありこの長さが約90分単位のため、90分を目安に起きるとすっきり起きられるという考えから根付いた情報になります。

実は、睡眠の勉強をする前まで実際に私がやっていた睡眠法で、6時間だとなかなかすっきり起きられず、寝坊したことがあります。。

睡眠周期は90分ではない!

睡眠周期は約90分と言われますが、実際には約80~100分といわれています。その差は約20分にもなります。また、睡眠周期は一定の時間を繰り返すのではなく、例えば第1周期は80分、第2周期は95分…といったように睡眠周期ごとに時間は異なります。もちろん年齢といった個体差によっても変化しますし、寝不足状態やアルコールを飲んでいる状態など、様々な環境要因でも睡眠周期の長さが変化していきます。

上の図は睡眠周期(赤い線)と90分周期(青い線)を合わせたグラフになります。この図からも、明け方になるにつれて90分周期と睡眠周期に差が出てくるのが分かると思います。

高齢者の睡眠は浅い睡眠が増えていきます。これにより夜間覚醒が増えるのですが、これも睡眠周期が短いことが挙げられます。

アルコールは睡眠前半だと深い睡眠が増えるのですが、睡眠後半では浅い睡眠が増えます。また、睡眠不足の場合は深い睡眠が増えるため、睡眠周期の時間も増加します。

以上から、90分単位で起きるのは必ずしもすっきり起きられるわけではないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。

【睡眠都市伝説2】睡眠のゴールデンタイムは22時~2時

「この時間に成長ホルモンが出るから、美肌のためにこの時間に眠りましょう」と美容業界から広まったこの常識。皆さんもご存じではないでしょうか?

成長ホルモンが最もよく分泌されるのは、○○のとき!

成長ホルモンには、筋肉や骨の成長促進などの整腸作用はもちろんの事、傷ついた体の細胞の修復といった新陳代謝の促進により、疲労回復に大いに貢献する大事なホルモンです。

この成長ホルモンの分泌が最も分泌されるタイミングをご存じでしょうか。

成長ホルモンが最も分泌されるのは、「眠って最初におとずれる深い睡眠の時」です。

睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠の2種類が存在するのは、皆さん耳にしたことがあると思います。このノンレム睡眠の中には、睡眠の深さを4つに分けた睡眠段階というものがあります。この睡眠段階1~4まで存在し、睡眠段階1が最も浅く、睡眠段階4が最も深い睡眠です。深い睡眠と位置付けられているのは睡眠段階3からになります。この睡眠段階3・4の時にデルタ波という脳波が出現し、このデルタ波を引き金に成長ホルモンが多く分泌されるといわれています。

そのためその時間に眠らなくとも、しっかり眠れていれば成長ホルモンは分泌されます。逆に高齢者になると睡眠が浅くなり深い睡眠というのは減ってしまいます。そのため、深い睡眠が分泌されず成長ホルモンも減って、疲れが取れにくくなってしまいます。

参考リンク:ナショナルジオグラフィック/健やかな睡眠のカギを握る「メジャースリープ」とは

あの大物人物も信用していた

以前、黒柳徹子さんの「徹子の部屋」の番組で、黒柳さんご本人がこうおっしゃっていました。「昔は朝近くまで起きていたけど、睡眠にはゴールデンタイムがあるんだ、というお話を聞いて、今はこの時間(22~2時)ごろに眠るようにしている」、と。

徹子さんのその習慣はデマであって、必ずしもその時間に眠る必要はないのです。

ちなみに、徹子さんは途中で一度目が覚めるため、そこから一度起きて眠くなったらまた寝るというルーティーンを行っているとのこと。

高齢者になると中途覚醒が起こりやすくなります。無理にそこから寝よう布団の中にずっといるとかえって寝つきが悪くなってしまいます。そうではなく、眠くなるまで起きているということは睡眠指導の観点からも有効です。ご本人が翌日に影響が出ない生活スタイルが確立されていなければ徹子さんのこの習慣というのは特に問題はありません。

【睡眠都市伝説3】夜にホットミルクを飲むとよく眠れる

夜にホットミルクを飲むとよく眠れるという話で、子供の頃から夜にホットミルクを飲んでいたことがあります。

これは、ミルクの成分中にはトリプトファンという必須アミノ酸が含まれるからです。

ただしこのトリプトファンを夜に摂取しても、すぐには分解されず、眠りを促すわけではありません。むしろ朝にトリプトファンを摂取することをおすすめします。そのため、夜に摂取しても睡眠への効果にはあまり意味がないのです。

簡単に説明すると、トリプトファンは、トリプトファン→セロトニン→メラトニンという経路を経て、メラトニンにより眠気を促します。

トリプトファンは分解された後、セロトニンという物質の生成のために利用されます。このセロトニンは日中に分泌され朝日を浴びたり、リズム運動を行った時に多く分泌されます。このセロトニンが夜になるとメラトニンという物質に合成されます。このメラトニンという物質により、眠気が促されるというわけです。

ただ、ホットミルクを飲むとリラックス効果により副交感神経が働き、間接的に眠りを促すという効果はあります。ですが、ホットミルクでなくてもハーブティーといった飲み物や自分がリラックスできる音楽、香りでも同様の効果があります。

さらに牛乳には脂質や糖質が含まれます。寝ている最中にも臓器を働かせることになるので、睡眠の質の観点ではおすすめいたしません。

睡眠に関する情報を今後も発信していきます

いかがだったでしょうか。今まで当たり前と思っていた知識や情報が誤って認識していた、という方も中にはいらっしゃったのではないでしょうか。

なかなか情報があふれかえっていて、何が正しい知識なのかを判断するのも難しいですよね。このブログでは、睡眠健康指導士の私が皆様に睡眠の正しい知識や情報をお伝えしていきます。

また、朝起きれない、朝起こしてほしいというお悩みがありましたら、ぜひモーニングコールのお申込みもお待ちしております。

この記事を書いている人
モーニングコール運営/上級睡眠健康指導士
悦ちゃん

モーニングコールサービスの中の人。上級睡眠健康指導士の資格を取得。
モーニングコールサービスを通して、朝が起きられない人から、朝に何かを始めたい人、睡眠に悩む方などの様々な悩みに向き合ったり、生活改善に寄り添うサービスを行っています。
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