長すぎる昼寝は認知症につながる!?睡眠の質が上がる昼寝の方法は?

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皆さんはお昼寝はしますか?眠い時に眠れるお昼寝はとても気持ちいいですよね。

そんなお昼寝ですが、寝すぎるとよくないというはご存じでしょうか。

今回はなぜ昼寝は寝すぎるとよくないのかという理由と、効果的なお昼寝の仕方についてまとめてみました。

そもそもなぜお昼に眠くなるのか

朝起きて過ごしているとお昼ごろにうとうと…と眠くなりませんか?

お昼にうとうとするのは体内のリズムが存在していて、このリズムにより午後眠くなると考えられています。この眠気の周期は1日に2回、およそ12時間周期で強い眠気と弱い眠気を繰り返して起こります。

この睡眠覚醒リズムにより、夜は眠くなり、お昼にも眠気が来る仕組みです。これは最低体温が最も低くなる午前3~5時ごろと午後の13~15時頃にあたります。

実際に、お昼の時間には仕事のミスや事故が多いというデータがあり、これは睡眠リズムによって引き起こされています。

なぜ昼寝で寝すぎるとよくないのか

普段仕事などで睡眠が不足していると、お休みの日はついお昼に寝すぎてしまうということはありませんか?

また、高齢者の方でお昼寝を何時間もとってしまうという方はいませんか?

では、この昼寝が長すぎるとどうなるのでしょうか。

夜の睡眠が浅くなる

お昼寝すぎて夜なかなか寝付けなかったという経験はありませんか?

皆さんもお分かりだと思いますが、睡眠量は人それぞれ必要な量があります。そしてこの量を常に一定に取ろうという働きがあります。

この働きにより、睡眠不足の時は普段よりも深い睡眠が増え、逆に睡眠が十分とれていて、身体に疲れがたまっていない状態というのは浅い睡眠になります。

お昼に長い睡眠を取ると、深い睡眠に突入してしまいます。この深い睡眠をお昼にとってしまうと、逆に夜の睡眠が浅くなってしまいます。夜の睡眠が浅くなると、夜途中に目が覚めてしまったり、翌日の日中に強い眠気が起こりやすくなり翌日の活動に影響してしまいます。

さらに高齢者の場合は、仕事から離れて社会的制限がなくなり、寝たいときに眠れるという環境が整っている状態が多いです。

そのことによって、お昼寝を長くとる→夜寝つきが悪くなる→お昼寝が長くなる…という負のサイクルにつながってしまいます。

夜に成長ホルモンが分泌が低下してしまう

成長ホルモンは、筋肉や骨の成長促進などの整腸作用はもちろんの事、傷ついた体の細胞の修復といった新陳代謝の促進により、疲労回復に大いに貢献する大事なホルモンです。

この成長ホルモンは日中でも分泌されているのですが、中でも最も分泌量が多くなるのは眠って最初に訪れる深い睡眠時です。

それがお昼寝を長くとることで、お昼に成長ホルモンが分泌されてしまいます。夜に深い眠りが起こらず、浅い睡眠のままになってしまうことによって成長ホルモンがあまり分泌されなくなってしまいます。結果として夜の睡眠後に疲れが取れない、といった原因につながってしまします。

アルツハイマー型認知症につながる恐れがある

睡眠不足が続くとアルツハイマー型認知症につながるタンパクが生成されるとの報告があがっています。さらに、昼寝の長さもアルツハイマー型認知症のたんぱく質が生成されるとの研究報告が上がっています。

このアルツハイマー型認知症につながる物質をβアミロイドといい、いわば脳内の老廃物です。このたんぱく質はアルツハイマー型認知症を発症する20~30年前から蓄積が始まるといわれています。このβアミロイドは、普段私たちも脳内の老廃物として発生するのですが、睡眠時に脳の掃除が行われ、取り除かれます。しかしβアミロイドが溜まりすぎて脳の中が汚部屋と化してしまうと、なかなか全部は取り除かれずに、汚れが頑固なシミとなりβアミロイドが溜まっていき、結果的に体に異変が出てしまうのです。(上の絵の右側のようなイメージです)

つまり、普段寝不足が慢性化している方や、定年退職後に習慣的に昼寝を長くとっている方は特に注意が必要です。

効果的なお昼寝は?

ではどのようにお昼寝をとるのがよろしいのでしょうか。

時間を決めて積極的仮眠を取る

成人であれば15~20分、高齢者であれば30分程度とお昼寝の時間を制限することです。

この時間であれば深い睡眠につながらずに、お昼寝後比較的すっきり起きることができます。逆にお昼寝をして起きた時にかなりボーっとしたり、まだまだ眠いと感じるようであれば睡眠度合が深くなっているサインです。ですので、このサインを目安に時間を調整してみてください。

食後にお昼寝をとることで、午後の眠気の予防につながります。また、データ時には午後お昼寝を短時間取っている人の方が午後の睡眠の質が高いというデータも出ています。

これは、午後の睡眠が抑制されることで適度に1日の疲れがたまり、結果的に睡眠の質が高まることにつながっています。

夕方以降に仮眠は取らない

夕食後は血糖値の上昇により眠くなってしまう方いませんか?

この夕食後に寝てしまうと短時間であっても、夜の眠気の妨げにつながってしまいます。夕食後の仮眠をとることで、いつもよりも寝る時間が遅くなってしまいます。夕食後は軽いストレッチなどを行い体を動かし、眠気を引き起こさないような行動を心掛けていきましょう。

仮眠中に横になると長く寝てしまう原因に

お昼寝の時に横になってしまうと、同じ時間でも、椅子に座っている時よりも深い睡眠になった人数が多かったと実験結果から分かりました。実際に皆さんも、横になったら起きられないという経験はありませんか?

ーHideki OYAMA, Kazuya SUZUKI, Nobuyuki MOTEGI, Susumu SAITO, Kazuhiro SAKAI. Effects of the Use of a Chair for the Short Nap on Sleep Quality, Task Performance, and Drowsiness(昼寝椅子における短時間仮眠が睡眠の質,パフォーマンス,眠気に及ぼす影響)[2019]

一度深い睡眠になってしまうと、なかなか短時間で起きるということが難しくなり、起きても「まだ眠い」という状態が続きます。さらに深い睡眠の方が起きた後にボーっとした状態が続いたり、頭がすぐに働かずミスにつながりやすくなります。

ですので、深い睡眠につながりにくいように机に突っ伏して寝るか、背もたれのある椅子にもたれて寝るのをお勧めします。

ただし、長時間机の上やいすで眠ると深い睡眠につながってしまいます。あくまでも昼寝からの起きやすい状態として、横になるのはおすすめいたしません。

移動時の仮眠は、リクライニングを下げる

もし移動時に仮眠を取る場合は、背もたれのリクライニングをできる限り倒したほうがしっかり眠ることができたという研究もあります。

この研究によると15分程度の睡眠であれば、150度倒したほうが130度倒したときよりもしっかりと眠れたという報告もあります。

ー Hayashi M, Abe A. Short daytime naps in a car seat to counteract daytime sleepiness: The effect of backrest angle. Sleep and Biological Rhythms (2008)

ドライバーの方や、リクライニングシートをお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。

程よいお昼寝で効率アップ!

普段寝不足が続いている人は時には長く寝ることで疲れを取るのに効果的です。ですが、平日寝不足で休日寝てばっかりというようなサイクルが常態化すると、睡眠覚醒リズムが乱れ、逆に疲労感が取れずらくなったり、脳へ悪影響になります。

お休みの日はたくさん昼寝をとるよりも、早寝を心掛けて普段よりも多く眠ることから始めてみては。

お昼休みに効果的にお昼寝を取り入れてみてくださいね。

この記事を書いている人
モーニングコール運営/上級睡眠健康指導士
悦ちゃん

モーニングコールサービスの中の人。上級睡眠健康指導士の資格を取得。
モーニングコールサービスを通して、朝が起きられない人から、朝に何かを始めたい人、睡眠に悩む方などの様々な悩みに向き合ったり、生活改善に寄り添うサービスを行っています。
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